カテゴリ別 - 免疫

interleukin インターロイキン : 白血球などが産生するサイトカインで、免疫調節に重要

basophil 好塩基球 : 血液中の白血球で、IgE受容体をもちアレルギーに関与

ABO incompatibility ABO不適合 : ABO血液型間の不適合による免疫学的反応を指す

acquired immunodeficiency syndrome (AIDS) 後天性免疫不全症候群 : ヒト免疫不全ウイルス感染で免疫が著しく低下する疾患

active immunity 能動免疫 : ワクチン接種や病原体感染により獲得する免疫応答

acute rejection 急性拒絶 : 移植後、比較的早期に起こる免疫反応による臓器損傷

acute-phase protein 急性期蛋白 : 炎症や外傷時に肝臓で産生が増加する蛋白質群

adaptive immunity 適応免疫 : 特異的抗原認識にもとづく高度な免疫応答

adjuvant アジュバント : 免疫反応を増強させるために加えられる補助物質

adoptive immunotherapy 免疫移入療法 : 培養した免疫細胞を体内に戻し、がんなどと闘う治療法

affinity 親和性 : 分子や受容体が互いに強く結合しやすい性質

affinity maturation 親和性成熟 : B細胞が免疫応答中に抗体の結合力を高める過程

agglutination 凝集 : 抗原と抗体の結合によって細胞や粒子が集まる現象

allelic exclusion アレルリックエクスクルージョン : B細胞などで、一つのアレルだけが発現する現象

allergen アレルゲン : アレルギー反応を誘発する抗原または物質

allergic contact dermatitis アレルギー性接触皮膚炎 : 接触した物質による遅延型アレルギー反応で起こる皮膚炎

allergic reaction アレルギー反応 : 免疫系が無害な物質へ過度に反応し、炎症や症状を引き起こす

allergic rhinitis アレルギー性鼻炎 : 鼻粘膜のアレルギー反応で、くしゃみ・鼻水などを伴う疾患

allergy アレルギー : 免疫系が特定抗原に対して過敏に反応する病的状態

allotype アロタイプ : 同種の個体間で異なる抗体などの遺伝的多型を示す特徴

alternative pathway 代替経路 : 補体活性化などにおける通常経路以外の反応経路

alveolar macrophage 肺胞マクロファージ : 肺胞内で異物の除去や免疫防御を担う大食細胞

anaphylaxis アナフィラキシー : 重篤な全身性アレルギー反応で、ショック症状を伴う

angioedema 血管性浮腫 : 血管透過性亢進による皮下や粘膜の急性浮腫

antibody 抗体 : 免疫系が産生し、特定抗原に特異的に結合するタンパク質

antibody-dependent cellular cytotoxicity (ADCC) 抗体依存性細胞障害 : 抗体で標的化された細胞をNK細胞などが攻撃・破壊する免疫機構

antigen 抗原 : 免疫系が認識し、抗体や免疫反応を誘発する物質

antigen presentation 抗原提示 : 抗原をMHC分子上に提示し、T細胞を活性化させるプロセス

antigen-presenting cell 抗原提示細胞 : 抗原を取り込み、MHC分子を介してT細胞に提示する免疫細胞

antigenic drift 抗原変異（抗原ドリフト） : ウイルス表面抗原が徐々に変化し、再感染やワクチン効果低下を招く

antigenic shift 抗原変異（抗原シフト） : 異なるウイルス株の再集合で抗原性が大幅に変化し、新型ウイルスが生じる

antihistamine 抗ヒスタミン薬 : ヒスタミン作用を抑え、アレルギー症状を軽減する薬剤

antiretroviral 抗レトロウイルス薬 : レトロウイルス（HIVなど）の増殖を抑制する薬剤

atopic dermatitis アトピー性皮膚炎 : 慢性的な皮膚炎で、かゆみや湿疹を繰り返すアレルギー疾患

autoantibody 自己抗体 : 自己の正常組織を抗原とみなし、反応する抗体

autoimmune 自己免疫性 : 免疫系が自己組織を攻撃対象とする性質を示す形容詞

autoimmune disease 自己免疫疾患 : 自己抗体や自己反応性T細胞などが原因で組織損傷を起こす疾患

autologous transplant 自家移植 : 患者自身の組織や細胞を採取し、再移植する医療手技

avidity アビディティ : 多価抗原と多価抗体の総合的な結合強度を示す指標

B lymphocyte (B cell) Bリンパ球（B細胞） : 骨髄由来のリンパ球で、抗体産生や液性免疫に中心的役割を担う

booster shot ブースター接種 : ワクチン効果を維持・再強化するため追加的に行う予防接種

C-reactive protein (CRP) C反応性タンパク : 炎症や組織障害時に肝臓で産生が増加する急性期反応物質

C3 convertase C3転換酵素 : 補体カスケードでC3を分解し、免疫反応を促進させる酵素複合体

celiac disease セリアック病 : グルテン摂取により小腸粘膜が損傷し、栄養吸収障害を招く自己免疫疾患

cell-mediated immunity 細胞性免疫 : T細胞などによる標的細胞への直接的な攻撃・排除を行う免疫機構

central tolerance 中枢性免疫寛容 : 胸腺や骨髄内で自己反応性リンパ球が除去され、自己免疫を防ぐ仕組み

checkpoint inhibitor 免疫チェックポイント阻害薬 : 免疫抑制分子を阻害しがん免疫応答を高める治療薬

chemokine ケモカイン : 細胞の遊走を誘導するシグナル伝達タンパク質群

chemotaxis 走化性 : 化学物質の濃度勾配に応じて細胞や生物が移動する現象

chimeric antigen receptor T-cell therapy (CAR T-cell therapy) CAR T細胞療法 : 遺伝子改変したT細胞で特定抗原を標的とし、がんを攻撃する先端医療

chronic rejection 慢性拒絶 : 移植臓器で長期にわたり進行する免疫反応による組織障害

class switch recombination クラススイッチ再構成 : B細胞が産生する抗体の定常部位を切り替え多様化する仕組み

classical pathway 古典経路 : 抗原抗体複合体を起点に補体が活性化する経路

clonal expansion クローン増殖 : 特定のリンパ球が抗原刺激によって同一細胞を多数増殖

clonal selection クローン選択 : 抗原と結合したリンパ球が選択的に増殖し免疫応答を形成

cluster of differentiation (CD) 分化抗原クラスター : 細胞表面分子の分類基準で免疫細胞の識別や機能解析に用いる

cluster of differentiation 8 (CD8) CD8陽性細胞 : ウイルス感染細胞などを攻撃する細胞障害性T細胞

collagenosis コラーゲン症 : 膠原病とも呼ばれコラーゲンを含む結合組織が障害される

colony-stimulating factor コロニー刺激因子 : 造血幹細胞の増殖や分化を促進するサイトカインの一種

complement 補体 : 免疫応答で細胞溶解やオプソニン化を行う血清タンパク群

complement deficiency 補体欠損 : 補体系の成分が欠損し感染症リスクや自己免疫疾患が増加

complement fixation test 補体結合試験 : 抗体と抗原の反応を補体の結合を通じて測定する診断法

complement system 補体系 : 免疫反応の一部を担う補体タンパクが連鎖的に活性化する系

convalescent plasma therapy 回復期血漿療法 : 感染症から回復した患者の血漿を用いて免疫を移行する治療

costimulation 共刺激 : T細胞活性化に必要な抗原提示と補助シグナルの同時提供を指す

cross-presentation クロスプレゼンテーション : 樹状細胞が細胞外抗原をMHCクラスI経路で提示し、CD8+ T細胞を活性化する現象

cross-priming クロスプライミング : クロスプレゼンテーションによって細胞傷害性T細胞が初期活性化される仕組み

cross-reactivity 交差反応性 : 抗体やT細胞が類似した抗原と反応する性質で、誤反応を起こす可能性がある

cyclosporine シクロスポリン : 免疫抑制作用をもつ薬で、臓器移植後の拒絶反応予防などに使われる

cytokine サイトカイン : 細胞間情報伝達を担うタンパク質群で、免疫調節に重要な役割を果たす

cytotoxic 細胞毒性の : 細胞を直接傷害または死滅させる作用がある性質

cytotoxic T cell 細胞傷害性T細胞 : MHCクラスI上の抗原を認識して標的細胞を破壊するTリンパ球

cytotoxic T-lymphocyte associated protein 4 (CTLA-4) CTLA-4 : T細胞活性を抑制する分子で、自己免疫や免疫応答制御に重要

cytotoxic T-lymphocyte associated protein 4 inhibitor (CTLA-4 inhibitor) CTLA-4阻害薬 : CTLA-4の抑制作用を遮断し、T細胞の免疫活性を高める抗がん剤

cytotoxicity 細胞傷害性 : 細胞を障害または死滅に至らしめる作用や程度

damage-associated molecular pattern (DAMP) 損傷関連分子パターン : 細胞損傷時に放出され、自然免疫系を活性化する内因性シグナル

dendritic cell 樹状細胞 : 強力な抗原提示能を持ち、T細胞を初期活性化する免疫細胞

desensitization 脱感作 : 特定抗原への反応を減らす目的で段階的に暴露する免疫療法

diapedesis 遊走 : 白血球が血管壁を通過して炎症部位に移動する生体防御機構

enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) 酵素免疫測定法 : 抗原・抗体反応を酵素反応で可視化し、微量物質を定量する方法

eosinophil 好酸球 : 白血球の一種で、寄生虫感染やアレルギー反応に関与する

epitope エピトープ : 抗原分子のうち、抗体や受容体が特異的に認識する部位

flow cytometry フローサイトメトリー : 細胞や微粒子を流路で解析し、蛍光標識などによって測定・分取する方法

follicular B cell 濾胞性B細胞 : リンパ節の胚中心などで抗体成熟に関わるB細胞

germinal center 胚中心 : リンパ節や脾臓でB細胞が活発に増殖・分化する領域

graft-versus-host disease (GVHD) 移植片対宿主病 : 移植したドナー免疫細胞がレシピエント組織を攻撃する病態

granulocyte colony-stimulating factor (G-CSF) 顆粒球コロニー刺激因子 : 白血球（好中球）の増殖・分化を促進するサイトカイン

granuloma 肉芽腫 : 慢性炎症で形成される肉芽組織の集まり

granulomatosis 肉芽腫症 : 体内各所に肉芽腫が多発する病態の総称

graves' disease バセドウ病 : 甲状腺機能亢進症の代表的疾患で、自己免疫により甲状腺ホルモンが過剰産生

guillain–barré syndrome (GBS) ギラン・バレー症候群 : 末梢神経の急性炎症性脱髄を特徴とする疾患で、筋力低下や麻痺を呈する

hashimoto's disease 橋本病 : 自己免疫性甲状腺炎の一種で、甲状腺機能低下を伴うことが多い

helper T cell ヘルパーT細胞 : 免疫応答を調整し、他の免疫細胞を活性化するTリンパ球

hemagglutination 赤血球凝集 : 抗体などによって赤血球が集まる反応

hematopoietic stem cell transplantation (HSCT) 造血幹細胞移植 : 血液病やがん治療で使われる造血幹細胞の移植手術

herd immunity 集団免疫 : 集団の大半が免疫を獲得し、感染拡大が抑えられる状態

heteroantigen 異種抗原 : 種や個体が異なる由来の抗原を指す免疫学用語

histamine ヒスタミン : アレルギー反応や炎症反応に関与する生理活性物質

host 宿主 : 病原体や寄生生物を保持・養う生物のこと

host defense 宿主防御 : 宿主が感染や寄生に対して持つ防御機構

host-versus-graft reaction (HVG) 宿主対移植片反応 : 宿主の免疫系が移植臓器や組織を攻撃する免疫反応

human immunodeficiency virus (HIV) ヒト免疫不全ウイルス : 後天性免疫不全症候群（AIDS）を引き起こすレトロウイルス

humoral immunity 体液性免疫 : B細胞や抗体が中心となって病原体を排除する免疫形態

hyperacute rejection 超急性拒絶 : 移植後、数分〜数時間以内に起こる激しい免疫反応

hypergammaglobulinemia 高ガンマグロブリン血症 : ガンマグロブリン（抗体）が過剰に産生される血液学的異常

hypersensitivity 過敏症 : 異常に強い免疫反応で組織傷害を引き起こす病態

hypogammaglobulinemia 低ガンマグロブリン血症 : 抗体産生が低下し、感染に対する免疫が弱まる状態

Idiopathic Thrombocytopenic Purpura (ITP) 特発性血小板減少性紫斑病 : 血小板が原因不明で減少し、皮下出血や粘膜出血を起こす疾患

idiotype イディオタイプ : 抗体やT細胞受容体に固有の抗原決定基を指す用語

IgA nephropathy (IgAN) IgA腎症 : IgA沈着により腎臓が傷害される慢性糸球体腎炎

IgA vasculitis (Henoch-Schönlein purpura) IgA血管炎（ヘノッホ・シェーンライン紫斑病） : 小血管にIgAが沈着し、皮膚紫斑や関節痛、腹痛、腎障害を伴う炎症性疾...

immune checkpoint 免疫チェックポイント : T細胞の活性を制御する分子機構で、自己免疫や過剰炎症を防ぐ

immune checkpoint inhibitor 免疫チェックポイント阻害薬 : 免疫抑制シグナルを遮断し、がん細胞への免疫攻撃を高める薬

immune complex 免疫複合体 : 抗原と抗体が結合して形成される複合体

immune response 免疫応答 : 生体が異物や病原体を認識し、排除しようとする一連の過程

immune surveillance 免疫監視 : 体内の異常細胞を免疫系が常に監視・排除する働き

immune system 免疫系 : 体内を異物から守るための細胞・器官・分子の総体

immunity 免疫 : 有害な微生物や物質に対する生体の防御能力

immunization 免疫（付与） : ワクチン接種などで特定の病原体に対する抵抗力を獲得すること

immunoassay 免疫測定法 : 抗原-抗体反応を利用し、特定分子を定量・定性する分析手法

immunoblot 免疫ブロット : タンパク質を電気泳動後、抗体で検出する実験技法

immunodeficiency 免疫不全 : 免疫系の機能が不十分で感染症や腫瘍のリスクが高まる状態

immunoediting 免疫編集 : がん細胞が免疫圧力下で適応変化し、免疫回避を獲得する過程

immunofluorescence 免疫蛍光 : 蛍光標識抗体を用いて標的タンパクを可視化する検出法

immunoglobulin 免疫グロブリン : 抗原認識を担う抗体タンパク質の総称

Immunoglobulin A (IgA) 免疫グロブリンA : 粘膜面や唾液などに多く存在し、局所防御に重要な抗体クラス

Immunoglobulin D (IgD) 免疫グロブリンD : B細胞膜上などに存在し、機能は未解明部分が多い抗体クラス

Immunoglobulin E (IgE) 免疫グロブリンE : アレルギー反応や寄生虫排除に関与する抗体クラス

Immunoglobulin G (IgG) 免疫グロブリンG : 血中に最も多く含まれ、さまざまな病原体に対する防御を担う抗体

immunoglobulin gene rearrangement 免疫グロブリン遺伝子再構成 : B細胞が多様な抗体を産生するために遺伝子を組換えする過程

Immunoglobulin M (IgM) 免疫グロブリンM : 初期免疫応答で産生される五量体型抗体

immunohistochemistry 免疫組織化学 : 抗体を用いて組織切片中の特定分子を可視化する手法

immunological 免疫学的 : 免疫に関する事柄や性質を示す形容詞

immunological memory 免疫記憶 : 再度同じ抗原に接触した際に迅速・強力に応答する能力

immunological recall 免疫再応答 : 記憶細胞が存在する抗原に再度遭遇した際の強化された免疫反応

immunological synapse 免疫シナプス : T細胞と抗原提示細胞が接触し情報伝達を行う構造

immunological tolerance 免疫寛容 : 自己や無害な抗原への反応を抑え、免疫応答を起こさない状態

immunomodulation 免疫調節 : 免疫系の活性を調節し、バランスを保つ作用

immunomodulator 免疫調節薬 : 免疫系を抑制または活性化して調節する薬剤の総称

immunopathology 免疫病理 : 免疫応答がもたらす組織損傷や病的変化を研究する分野

immunopharmacology 免疫薬理学 : 免疫系に作用する薬物の仕組みや効果を研究する学問

immunosenescence 免疫老化 : 加齢に伴う免疫機能の低下や変化を指す概念

immunosuppressant 免疫抑制薬 : 免疫応答を抑制して、拒絶や自己免疫を防ぐ薬剤

immunosuppression 免疫抑制 : 免疫系の働きを低下させ、攻撃性を抑える状態または操作

immunosuppressive therapy 免疫抑制療法 : 臓器移植や自己免疫疾患において、免疫を抑える治療法

immunotherapy 免疫療法 : 免疫系を活性化または調節し、疾患を治療する方法

immunotoxin 免疫トキシン : 抗体などに毒素を結合し、特定細胞を標的破壊する分子

inactivated vaccine 不活化ワクチン : 病原体を化学的・物理的に死滅させたワクチン

inflammation 炎症 : 組織が損傷し、発赤・腫脹・痛みなどを伴う生体反応

inflammatory response 炎症反応 : 免疫細胞やサイトカインが関与する防御的な組織反応

innate immunity 自然免疫 : 生まれつき備わっている非特異的な免疫防御機構

interferon インターフェロン : ウイルス感染やがん細胞増殖を抑制する蛋白質性物質

Interleukin-1 (IL-1) インターロイキン1 : マクロファージなどが分泌し、炎症や免疫応答を調節するサイトカイン

Interleukin-2 (IL-2) インターロイキン2 : T細胞の増殖や活性化を促進する主要なサイトカイン

Interleukin-6 (IL-6) インターロイキン6 : B細胞分化や炎症反応の調節に重要な多機能性サイトカイン

intravenous Immunoglobulin (IVIG) 免疫グロブリン静注 : 免疫グロブリンを静脈経路で投与する治療法

isoantigen 同種抗原 : 同じ種の個体間で免疫反応を引き起こす抗原

isoimmunization 同種免疫 : 他人の抗原に対する免疫応答が生じる現象

isotype switching アイソタイプスイッチ : 抗体の定常部位を変化させ、異なるクラスの抗体を産生する現象

junctional diversity 結合部多様性 : 免疫グロブリンやT細胞受容体の遺伝子再構成で生じる多様性

Langerhans cell ランゲルハンス細胞 : 皮膚表皮に存在し、抗原提示を行う樹状細胞

lectin pathway レクチン経路 : 補体活性化経路の一つで、糖鎖認識を介して起こる

leukocyte 白血球 : 免疫や防御反応に関わる血球の総称

leukotriene ロイコトリエン : アラキドン酸から生成される脂質メディエーターで、炎症に深く関与

live attenuated vaccine 弱毒生ワクチン : 病原性を弱めた生ウイルス・細菌を利用するワクチン

live vaccine 生ワクチン : 生きた病原体を用いて免疫応答を誘発するワクチン

lupus nephritis ループス腎炎 : 全身性エリテマトーデス（SLE）の腎病変

lymph リンパ : 組織液がリンパ管に入り込んだ体液

lymph node リンパ節 : リンパ球が集まる節状組織で、免疫応答の場

lymphangitis リンパ管炎 : リンパ管が細菌や炎症により赤く腫れる病態

lymphatic drainage リンパ排出 : リンパ管を通じて組織液や老廃物を回収・排出する過程

lymphatic vessel リンパ管 : リンパ液を集めて静脈系へ戻す管状構造

lymphedema リンパ浮腫 : リンパ流障害で四肢などにむくみが生じる状態

lymphocyte リンパ球 : B細胞やT細胞など、獲得免疫の中心を担う白血球

lymphoma リンパ腫 : リンパ系細胞が腫瘍化する悪性疾患

macrophage マクロファージ : 組織で異物や病原体を貪食し、免疫応答を誘導する細胞

major histocompatibility complex (MHC) 主要組織適合遺伝子複合体 : 抗原提示や免疫反応に関与する遺伝子群

marginal zone B cell 辺縁帯B細胞 : 脾臓の辺縁帯に存在し、迅速な自然抗体産生に関与するB細胞

mast cell 肥満細胞 : アレルギー反応や炎症調節に関わる免疫細胞で、ヒスタミンなどを放出

membrane attack complex (MAC) メンブレンアタックコンプレックス : 補体の最終段階で形成され、細胞膜を破壊する複合体

memory cell メモリー細胞 : 一度抗原に遭遇した後、長期的に免疫記憶を保持するリンパ球

memory T cell メモリーT細胞 : 再感染時に迅速な免疫反応を誘導するTリンパ球の一種

MHC class I MHCクラスI : 細胞表面で内因性抗原を提示し、主にCD8+T細胞を活性化する分子

MHC class II MHCクラスII : 抗原提示細胞が外因性抗原を提示し、CD4+T細胞を活性化する分子

milk allergy 牛乳アレルギー : 乳タンパクに対する免疫反応で、湿疹や消化器症状などを引き起こす

monoclonal antibody モノクローナル抗体 : 特定の抗原に対し特異的に結合する均質な抗体

monocyte 単球 : 血中を巡回し、組織へ移行してマクロファージに分化する白血球

mucosal immunity 粘膜免疫 : 粘膜表面での病原体防御や免疫寛容に関わる防御機構

multiple sclerosis (MS) 多発性硬化症 : 中枢神経系の脱髄病変で、再発寛解を繰り返す経過を示す自己免疫疾患

multiple sclerosis disease-modifying therapies (DMTs) 多発性硬化症疾患修飾薬 : MSの進行抑制や再発回数低減を目的とする治療薬

myasthenia gravis (MG) 重症筋無力症 : 神経筋接合部での自己抗体により筋力が低下し、易疲労性を示す疾患

mycophenolate mofetil ミコフェノール酸モフェチル : 免疫抑制薬の一種で、移植や自己免疫疾患の治療に用いられる

naive T cell ナイーブT細胞 : 抗原に未遭遇で、分化や活性化がまだ起こっていないT細胞

natural killer cell (NK cell) ナチュラルキラー細胞 : 非特異的にウイルス感染細胞や腫瘍細胞を攻撃するリンパ球

neutralization test 中和試験 : ウイルスや毒素に対する中和抗体の有無・力価を測定する検査

neutralizing antibody 中和抗体 : ウイルスや毒素の活性を無効化する機能を持つ抗体

neutrophil 好中球 : 急性炎症や細菌感染で中心的役割を担う白血球

nuclear factor kappa B (NF-κB) NF-κB : 転写因子の一種で、免疫応答や炎症制御に関与

opsonin オプソニン : 好中球などが微生物を貪食しやすくするために付着する分子

opsonization オプソニン化 : 微生物表面にオプソニンが結合し、食細胞による貪食が促進される過程

paratope パラトープ : 抗体分子が抗原と結合する部位

passive immunity 受動免疫 : 他個体から抗体を移入するなど外因性に獲得する免疫

pathogen 病原体 : 感染や疾患を引き起こす微生物（細菌、ウイルス、真菌、寄生虫など）

pathogen-associated molecular pattern (PAMP) 病原体関連分子パターン : 自然免疫が認識する病原体由来の分子構造

pattern recognition パターン認識 : 繰り返しや特徴を捉え、情報を分類・処理する認知機能

pattern recognition receptor (PRR) パターン認識受容体 : PAMPなどを認識して免疫応答を誘導する受容体

peripheral tolerance 末梢性免疫寛容 : 中枢以外の免疫系で自己抗原に対する反応を制御する仕組み

phagocytosis ファゴサイトーシス : 食細胞が微生物や異物を取り込み、消化・分解する過程

plasma cell 形質細胞 : B細胞が分化し、高濃度の抗体を産生する免疫細胞

plasmapheresis 血漿交換 : 患者血液から血漿を除去し、代替液と置換する治療

polyclonal antibody ポリクローナル抗体 : 異なるB細胞由来で複数エピトープに結合する抗体群

precipitation reaction 沈降反応 : 抗原と抗体が溶液中で可溶性複合体を形成し、沈殿する免疫反応

primary immunodeficiency 原発性免疫不全 : 先天的な免疫系の欠陥によって感染抵抗力が低下する疾患

programmed death-1 (PD-1) PD-1 : T細胞表面に発現する免疫調節分子で、免疫抑制に関与

programmed death-1 (PD-1) inhibitor PD-1阻害薬 : PD-1経路を遮断し、がん免疫を高めるチェックポイント阻害薬

programmed death-ligand 1 (PD-L1) PD-L1 : PD-1のリガンドとして作用し、免疫抑制を引き起こす分子

recombination activating gene 1 (RAG1) RAG1 : B細胞とT細胞の受容体再構成に関与する重要な遺伝子

recombination activating gene 2 (RAG2) RAG2 : RAG1と共同し、免疫受容体の遺伝子再編成を担う遺伝子

regulatory T cell 制御性T細胞 : 免疫応答を抑制し、自己免疫反応を防ぐ役割をもつT細胞

reticuloendothelial system 網内系 : マクロファージや単球等が全身で異物を処理するシステム

rheumatoid arthritis 関節リウマチ : 慢性炎症で関節が侵され破壊される自己免疫疾患の一つ

rheumatoid factor リウマトイド因子 : 関節リウマチで高頻度に検出される自己抗体の総称

rituximab リツキサン（リツキシマブ） : B細胞に発現するCD20を標的としたモノクローナル抗体薬

secondary immunodeficiency 続発性免疫不全 : 基礎疾患や薬剤などにより後天的に生じる免疫機能低下

secretory immunoglobulin A (IgA) 分泌型免疫グロブリンA : 粘膜面で感染防御に重要な抗体で、唾液や母乳にも含まれる

self-antigen 自己抗原 : 自己の細胞や組織に存在する抗原で、自己免疫を起こす可能性

sepsis 敗血症 : 感染による全身性の炎症反応で、重症化するとショックを起こす

septic shock 敗血症性ショック : 重度の敗血症で血圧低下や臓器不全を引き起こす緊急状態

Serum therapy (serotherapy) 血清療法 : 特異抗体を含む血清を投与し、感染症や中毒を中和・防御する方法

sirolimus シロリムス : 免疫抑制薬の一つで、mTOR経路を阻害し移植拒絶を防ぐ

somatic hypermutation 体細胞超突然変異 : B細胞が抗体遺伝子を変化させ、抗体親和性を高める過程

spleen 脾臓 : 血液のろ過や古い赤血球の破壊、免疫機能を担う臓器

subunit vaccine サブユニットワクチン : 病原体の一部だけを抗原として使用するワクチン

superantigen スーパー抗原 : 通常より大規模なT細胞活性化を引き起こす特殊な抗原

T cell receptor (TCR) T細胞受容体 : T細胞が抗原提示分子上のペプチドを認識するための分子

T lymphocyte (T cell) Tリンパ球 : 細胞性免疫に関与するリンパ球で、ヘルパーTやキラーTなどがある

T-cell receptor alpha chain (TCR alpha chain) TCRα鎖 : T細胞受容体を構成するポリペプチド鎖の一つで、抗原認識に関与

T-cell receptor beta chain (TCR beta chain) TCRβ鎖 : T細胞受容体を構成するもう一つのポリペプチド鎖

T-dependent antigen T依存性抗原 : T細胞の助けが必要な抗体産生反応を引き起こす抗原

T-independent antigen T非依存性抗原 : B細胞がT細胞の助けなしに抗体を産生できる抗原

tacrolimus タクロリムス : 免疫抑制薬の一種で、臓器移植後の拒絶反応抑制に用いられる

thymus 胸腺 : T細胞の成熟が行われるリンパ器官で、思春期以降萎縮する

titer 力価 : 液中に含まれる抗体や抗原の濃度を示す指標

tolerance 耐性 : 薬剤などへの反応が減弱し、効果が薄れる現象

tolerance induction 耐性誘導 : 免疫系が特定抗原を攻撃しないよう寛容を形成する過程

toll-like receptor (TLR) トル様受容体 : 自然免疫で病原体由来分子を認識するパターン認識受容体

toll-like receptor 4 (TLR4) トル様受容体4 : 病原体由来物質を認識し、免疫応答を誘導する受容体の一種

toxoid vaccine トキソイドワクチン : 毒素を無毒化して作られたワクチンで、免疫を誘導する

transendothelial migration 血管内皮通過 : 白血球などが血管内皮を通って組織へ移動する過程

transplant rejection 移植拒絶 : 移植された臓器や組織が免疫反応で排斥される現象

transplantation 移植 : 患者に他人や自己の組織・臓器を移して機能を補う医療行為

tumor necrosis factor (TNF) 腫瘍壊死因子 : 免疫調節や炎症に深く関与するサイトカイン

tumor necrosis factor alpha (TNF-alpha) 腫瘍壊死因子α : 炎症や免疫調節に関与するサイトカインの一種

type I hypersensitivity 1型アレルギー : IgE抗体と肥満細胞が関与し、アナフィラキシーなどを起こす

type II hypersensitivity 2型アレルギー : 細胞表面抗原に対するIgGやIgMが関与し、溶血などを引き起こす

type III hypersensitivity 3型アレルギー : 免疫複合体の沈着による組織障害を特徴とする反応

type IV hypersensitivity 4型アレルギー : T細胞仲介型で、接触性皮膚炎などを起こす遅延型過敏症

urticaria 蕁麻疹 : 皮膚に膨疹と激しいかゆみが急に出現する皮膚疾患

uveitis ぶどう膜炎 : ぶどう膜の炎症で、視力低下や痛みを伴う場合がある

vaccination ワクチン接種 : 病原体成分を投与して免疫を獲得させる予防手段

vaccine ワクチン : 抗原を投与し、感染予防のための免疫を誘導する製剤

vasculitis 血管炎 : 血管壁に炎症が起こり、組織障害をもたらす病態

interleukin インターロイキン : 白血球などが産生するサイトカインで、免疫調節に重要

basophil 好塩基球 : 血液中の白血球で、IgE受容体をもちアレルギーに関与

ABO incompatibility ABO不適合 : ABO血液型間の不適合による免疫学的反応を指す