カテゴリ別 - 法医学

英単語	日本語の意味
acute poisoning 急性中毒 : 一度または短期間の有害物質暴露で起こる中毒症状	急性中毒
acute toxicity 急性毒性 : 単回または短期間の曝露で生じる毒性影響を示す概念	急性毒性
adipocere 死蝋 : 遺体の脂肪組織が石鹸状に変化した状態を指す法医学用語	死蝋
advanced decomposition 高度腐敗 : 死後の遺体が著しく腐敗し、原形を保たない状態	高度腐敗
agonal period 終末期 : 死に至る直前の生体機能が徐々に衰退する段階	終末期
ante-mortem injury 生前の外傷 : 死亡前に受けた損傷で、治癒反応や出血などが認められる	生前の外傷
autolysis 自家融解 : 細胞や組織が自己酵素によって分解される現象	自家融解
autopsy 検死解剖 : 死因や病態を究明するために遺体を解剖・調査する手続き	検死解剖
battered child syndrome 被虐待児症候群 : 児童虐待による身体的・心理的障害の総称で、重篤化しやすい	被虐待児症候群
battered woman syndrome 被虐待女性症候群 : 親密なパートナーからの暴力で生じる心理的障害や症候群	被虐待女性症候群
bite mark 咬傷痕 : 歯による噛み跡が皮膚や組織に残った痕跡で、法医学的に重要	咬傷痕
blood alcohol concentration 血中アルコール濃度 : 血液中のアルコール含有率で、飲酒の影響評価に使われる	血中アルコール濃度
blood spatter analysis 血痕飛沫分析 : 血液の飛散パターンを解析し、事件現場の状況を推定する法科学的手法	血痕飛沫分析
bloodstain pattern 血痕パターン : 血液の形状や付着状況から飛散過程を推定するための形態学的特徴	血痕パターン
blunt force trauma 鈍的外傷 : 鈍い力の衝撃で組織が損傷する外傷で、打撲や裂傷を含む	鈍的外傷
cadaver 死体 : 解剖学や医学研究に用いられるヒトの遺体	死体
cadaveric spasm 死体硬直 : 死直後に特定の筋群が強直し、生前の姿勢を保持する現象	死体硬直
carboxyhemoglobin 一酸化炭素ヘモグロビン : 一酸化炭素がヘモグロビンに結合し、酸素運搬を阻害する状態	一酸化炭素ヘモグロビン
chain of custody 証拠管理の連鎖 : 証拠が収集から分析まで正しく扱われたことを示す管理過程	証拠管理の連鎖
child abuse 児童虐待 : 子どもに身体的・心理的・性的虐待やネグレクトを行う行為	児童虐待
child neglect 児童ネグレクト : 子どもの基本的な養育や監護を怠り、健全発達を阻む行為	児童ネグレクト
clinical autopsy 臨床解剖 : 診療過程の検証を目的として行われる死後の解剖	臨床解剖
clinical forensic medicine 臨床法医学 : 生体の外傷・暴行などを法的に評価する医学分野	臨床法医学
coffin birth 棺内出産（死後分娩） : 死亡後に子宮内のガス圧で胎児が産道から排出される現象	棺内出産（死後分娩）
compulsory admission 強制入院 : 精神疾患などで本人の意思に反して法的に行われる入院	強制入院
coroner 検死官 : 死亡の原因や状況を司法的に調査する公的職務	検死官
coronial autopsy 検死官解剖 : 法的または公共の利益のために行われる検死解剖	検死官解剖
corrosive poisoning 腐食性物質中毒 : 酸やアルカリなどの腐食性物質摂取で組織が損傷される中毒	腐食性物質中毒
cyanide シアン化物 : 細胞呼吸を阻害し、急性中毒を起こす有毒物質	シアン化物
decomposition 腐敗 : 死後または有機物が微生物などで分解され、組織が腐敗する過程	腐敗
defensive wound 防御創 : 暴行を受けた際に腕などで防御した結果生じる損傷	防御創
dental identification 歯科的身元確認 : 歯科治療痕や歯列を基に個人の身元を特定する法医学手法	歯科的身元確認
document examination 文書鑑定 : 筆跡やインク、紙質などを分析し、文書の真偽を判別する方法	文書鑑定
drowning 溺死 : 水中に沈んで呼吸ができずに死亡した状態を示す法医学用語	溺死
electrocution 感電死 : 電流による人体への致死的障害で、突然死を引き起こす	感電死
embalming 遺体防腐処置 : 遺体の腐敗を遅延させるため、薬剤注入などを行う手技	遺体防腐処置
exhumation 掘り起こし・改葬 : 埋葬後の遺体や遺骨を再び掘り出し、他の場所へ移す手続き	掘り起こし・改葬
expert witness 鑑定証人 : 裁判で専門知識に基づき意見を述べる証人で、事実解明を助ける	鑑定証人
explosive injury 爆傷 : 爆発による衝撃波や破片で生じる外傷で、複数の器官を損傷しうる	爆傷
extension rigor 伸展硬直 : 死後の硬直が伸展姿勢で強く現れる状態を指す法医学用語	伸展硬直
fabricated injury 偽装された外傷 : 他者の加害を装うため、あるいは診断を誤らせる目的で作為的に負った傷	偽装された外傷
firearm residue 火器残渣 : 銃器使用後に発生する火薬や金属片などの微粒子	火器残渣
forensic anthropology 法医人類学 : 人体の骨格分析から身元や死因を推定する学問	法医人類学
forensic biology 法医生物学 : 犯罪捜査での生物学的証拠分析（DNA鑑定など）を行う分野	法医生物学
forensic chemistry 法医化学 : 事件・事故における化学的証拠を分析する分野	法医化学
forensic dentistry 法歯学 : 歯科的証拠から身元や咬合痕などを鑑定する法医学の一分野	法歯学
forensic entomology 法医昆虫学 : 死体に付く昆虫の種類や発生段階から死亡時期を推定する学問	法医昆虫学
forensic epidemiology 法医疫学 : 集団的事件や感染源調査などを疫学的手法で解明する分野	法医疫学
forensic genetics 法医遺伝学 : 遺伝学的手法で犯罪や親子関係などを特定する分野	法医遺伝学
forensic medicine 法医学 : 死因や犯行の有無など医学的に解明する学問	法医学
forensic odontology 法歯科学 : 歯列や歯型を用い、身元や咬傷などを鑑定する法医学分野	法歯科学
forensic pathology 法医病理学 : 死体解剖や病理学的手段で死因や経過を分析する分野	法医病理学
forensic psychiatry 法医精神医学 : 犯罪や訴訟で精神状態を評価し、責任能力などを判断する医学分野	法医精神医学
forensic psychology 法心理学 : 犯罪者や証人の心理評価、法廷での証言などを研究する分野	法心理学
gas chromatography ガスクロマトグラフィー : 揮発性物質を気体流で分離し、分析する分離・定量法	ガスクロマトグラフィー
gunshot residue 発射残渣 : 銃弾発射に伴い生じる火薬や金属片などの粒子	発射残渣
gunshot wound 銃創 : 銃弾による創傷で、貫通や盲管など形態が多様	銃創
hanging 縊死 : 首を吊ることによる窒息死	縊死
heavy metal 重金属 : 比較的比重の大きい金属元素で、中毒などを起こす場合もある	重金属
hospital autopsy 病院解剖 : 病院内で行われる死因や病態究明のための遺体解剖	病院解剖
hypostasis 死斑 : 死後に血液が沈下して皮膚に生じる紫斑	死斑
incised wound 切創 : 鋭利な器具により生じた皮膚や組織の切り傷	切創
internal examination 内部検査（内臓検査） : 内臓の状態を診断するための検査全般	内部検査（内臓検査）
intestate 遺言のない死 : 遺言書を残さずに死亡すること	遺言のない死
iodine fuming ヨウ素蒸気法（指紋検出） : 指紋にヨウ素蒸気をあてて視認化する鑑識手法	ヨウ素蒸気法（指紋検出）
kerosene 灯油 : 暖房や燃料に用いられる石油系液体	灯油
latent fingerprint 潜在指紋 : 目視できない指紋で、粉末や薬品で可視化される	潜在指紋
lead poisoning 鉛中毒 : 鉛を過剰摂取して神経障害や貧血などを起こす病態	鉛中毒
legal autopsy 司法解剖 : 犯罪や不審死の原因究明のために法的手続きで行う解剖	司法解剖
legal medicine 法医学（医事法学） : 医学と法律の交点で死因究明や犯罪捜査に関わる学問	法医学（医事法学）
ligature 結紮（首締め具など） : 血管や組織を縛る糸や器具、または首締め具を指す場合も	結紮（首締め具など）
livor mortis 死斑 : 死後に血液が沈下し皮膚が斑状に変色する現象	死斑
lung float test 肺水沈浮試験 : 死体検案で肺の浮沈を調べ、新生児呼吸の有無を推定	肺水沈浮試験
marbling 大理石様変化 : 死後、血管に沿って色が変化し、大理石模様を呈する死体所見	大理石様変化
medical jurisprudence 医事法学 : 医療行為や医師の責任、患者の権利など法的側面を扱う学問分野	医事法学
modus operandi 犯行手口 : 犯罪行為を行う際の特徴的なやり方や手段を指すラテン語	犯行手口
morgue 死体安置所 : 死体を一時的に保管・管理する施設	死体安置所
mummification ミイラ化 : 遺体が乾燥し、水分が失われて硬化・保存状態となった死後変化	ミイラ化
necropsy 検死解剖 : 死因を究明するために死体を詳細に解剖し調べる手続	検死解剖
organophosphate 有機リン剤 : 神経毒性を持つリン含有化合物群で、農薬や神経ガスに使用	有機リン剤
paternity test 父性鑑定 : 遺伝子検査などによって生物学的な父子関係を調べる方法	父性鑑定
patterned injury パターン化外傷 : 外傷の形状や分布が器具や機転に対応し、特定の原因を示唆	パターン化外傷
pesticide 農薬 : 作物保護のために使用される化学物質で、害虫や雑草を駆除	農薬
poisoning 中毒 : 有害物質の摂取や吸入などで生理機能が乱れる状態	中毒
post-mortem interval 死亡後経過時間 : 死亡してから発見されるまでの時間	死亡後経過時間
post-mortem lividity 死斑 : 死後、血液が沈下して皮膚に生じる紫斑	死斑
post-mortem staining 死斑 : 上記と同義で、死後に生じる皮膚の変色	死斑
pressure abrasion 圧迫擦過傷 : 強い圧迫によって皮膚表面が擦りむけて生じる損傷	圧迫擦過傷
presumptive test 予備試験 : 迅速だが特異度が低い検査で、精密検査の前段階として利用	予備試験
psychological autopsy 心理学的剖検 : 自殺などの死因を遺族や記録から精神的背景を分析する手法	心理学的剖検